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内側からも外側からも…恋をするとキレイになる理由
「恋をするとキレイになる」とは、よく言われていますよね。いったいどうしてなのでしょうか? 恋愛や美容についての取材活動を行っている私、文筆家のにらさわあきこが解説させていただきます。
ホルモン量がUPする
以前、女性ホルモンに関する本を書いたことがあるのですが、その時に取材した婦人科のお医者様が言っていました。「女性ホルモンの分泌量を増やすのに一番効果的なのは、恋ね(出産以外では)」と。「恋をすると、女性ホルモンの一つ、エストロゲンの分泌が高まり、お肌をツヤツヤにして、うるうるの瞳を作り、女性らしい丸みのある体を作ってくれる」というのです。実際、エストロゲンには、いわゆる女性らしさをつくってくれる働きがあります。お肌に関して言うならば、皮膚バリアを形成し、お肌を刺激から守ってくれるセラミドや、ハリや弾力を保つヒアルロン酸の合成などに関係していると言われています。恋にはこの他にも、脳内を活性化するドーパミンや、幸せな気持ちを運んでくれるオキシトシンなどのホルモンを増やす作用があるとも言われています。
とはいえ、そんなうんちくを聞かされなくっても、恋をしている女性がきれいなのは接していればわかりますよね。「あれっ、なんだか綺麗になったな」と思った子に、彼ができていたり、「好きな人ができた」と言ってきた子の瞳がキラキラと輝いていたり……恋の威力は凄いな、と私はいつも思うのです。
世界が広がる
体に起こる作用以外でも、恋はたくさんのエネルギーをくれます。私がたくさんの人を取材して気がついた大きな一つは、「世界が広がる」ということです。
恋をすると、女性はいろんなことに興味を持ち始めます。一人で過ごしていたころとは違う「対象」に目を向け始めるのです。たとえば、「私が、私が……」と一人よがりで生きていた人でも、「彼にどう見られるかな」と、彼目線を意識し始めて、「彼の好きなことは何だろう」とか、「彼の好きなものを詳しく知りたい」などと思うようになるでしょう。
また、「一般的にモテる女性って、どんな感じなんだろう?」と気になってきて、お化粧やファッションにも意識がより向き始めるでしょうし、情報を得ようと思ったら、「女性同士の会話」や恋愛成功者たちの体験談も無視しづらくなるでしょう。
つまり、恋って、一人で生きてきた人が、別の目線を持つチャンス。タダで世界を広げる大きな発火剤になりうるというわけです。
自分らしくなれる
もう一つ、私が「恋って素敵だなあ」と思う理由があります。それは、「自分らしくなれること」や、「自分らしくいられる」ということ。「え?モテを意識し始めたら、めかしこんだり、よく見せようとして、時には自分でない自分を演じなくてはならないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、違います。少なくとも、「自分をよく見せようとして、メイクをしたり、ファッションを変えたりする」のは、自分以外の誰かの目線を思ってのこと。「どうしてもいやなのに、無理やりする」のは、いかがなものかと思いますが、誰かを思ったのちに、それまでの「これが好き」と思い込んでいた自分から、「ああ、こういうのもありなんだな」と新しいメイクやファッションにトライした自分に出会うのは、自分を偽ることではないでしょう。
ある程度の年齢になると、変化を恐れがちになるわたしたちが、停滞することなく、「新しい」「より素敵な自分」に出会うのは、とても素敵なことではないでしょうか。べつに、その「新しいメイクの自分」、「新しいファッションの自分」だけでいる必要はなく、戻りたい時は「いつもの自分」に戻ればいいのです。新しい自分に出会うことで、「自分の可能性」を知ったり、幅を広げたりできるのは、恋の醍醐味だと思います。
チャーミングになれる
さらに、「自分らしくなれる」のは、見た目に限ったことではありません。たとえば、性格や人との接し方だって、変わる可能性があるでしょう。一人で生きている女性はどうしてもいろんな守るべきことを抱えていて、「一人で頑張ろう」としてしまいがちです。本当はユーモラスな性格なのに、それを表す機会がなくて、人前では真面目一本やりで過ごさなければならない人もいるでしょう。
実際、私の取材した女性で、「ど真面目な人だなあ」と思っていたのに、ある時からふいに冗談を言うようになったので、「あら、彼女にはこういう面もあったんだ」と感じたことがあります。彼女は、その後ほどなく結婚。「なるほど、守られていると、人は戦闘モードの鎧を外し、よりその人らしい姿を人前で出せるようになるんだな」と思ったことがありました。
もしかしたら、恋とは、自分の壁を壊して、世の中に心を開いて生きていくことに近づけるツールなのかもしれません。
恋とキレイはどちらが先でもいい
こうしてみてくると、恋とは、やっぱり私たち女性をキレイにしてくれるものですね。一方、キレイな女性というのは、キラキラとしていてオープンマインドで、好奇心が旺盛です。そんな女性は、どうしたってモテるので、キレイでいると現実の恋がやってきやすくなるでしょう。つまり、恋とキレイは相関関係にあるのです。だから、どちらが先でもいいのです。
冒頭に書いた婦人科の先生が、こうも言っていました。「恋とは必ずしも、誰かと付き合うことをさすのではありません。スターにときめくのでもいいし、好きなことにときめくのでもいい。何かに興味を持つことがすべて恋することに繋がるんですよ」と。
何かを好きでいること。それこそが、キレイになれる基本なのでしょう。
【執筆者プロフィール】
にらさわあきこ(文筆家/美容研究家)
NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛や結婚、美容などの分野で取材・執筆活動を行う。『未婚当然時代』(ポプラ新書)、『婚活難民』(光文社)、『必ず結婚できる45のルール』など著書多数。美容連載は、「にらさわあきこの日々是実践美容道」(CREA WEB)、「ラクラク簡単☆美容道 にらさわあきこの美人習慣」(GRAPPS)、「美活、今(さら)始めました」(女子SPA!)など。
Instagram:akiko_nirasawa_beauty
ブログ:『美活☆365日 簡単&ラク~に綺麗になろう!』