ナイアシンアミドとは? 敏感肌にも有効?
ナイアシンアミドは低刺激でありながらハリや潤いを守り、メラニン生成の予防、肌の乾燥や炎症・ニキビの予防まで様々な美容効果を持つ成分です。
食事からも摂取できますが、厚生労働省によって2007年に美白効果が、2017年にはシワ改善効果が医薬部外品の有効成分として認められため、近年ではスキンケア用品として使われることも多くなっています。
ナイアシンアミドが低刺激である理由は、もともと体の中に存在する物質だからです。
このため、ナイアシンアミドを使用した際の肌トラブルが少なく、敏感肌や乾燥肌の方など肌のタイプを選ばず多くの方が使うことができます。
この記事では化粧水や美容液など、スキンケア用品としてのナイアシンアミドの有用性について詳しく紹介いたします。
1. ナイアシンアミドとは?
ナイアシンアミドは、ビタミンB群の一種で「ビタミンB3」や「ニコチン酸アミド」とも呼ばれる物質です。
ニコチン酸は、ニコチンを酸化してできた物質であり、タバコのニコチンとは構造が似ていますが別の物質です。
そのため、ニコチン酸は有害物質のニコチンと混同されるのを避けるためにNicotinic Acid vitaminの一部を組み合わせて、ナイアシン(niacin)と呼ばれるようになりました。
現在ではニコチン酸とニコチン酸アミドを総称して、ナイアシンと呼びます。
水溶性のビタミンであるナイアシンは食事からとるほかに、必須アミノ酸のトリプトファンから体内でも合成することが可能です。
ナイアシンアミドが体内で欠乏すると、ペラグラと呼ばれる皮膚、粘膜、中枢神経系、および消化管の症状を引き起こします。
症状が進行すると光線過敏性の発疹、口内炎、舌炎、下痢、精神異常が起こる可能性も示唆されています。
一日のナイアシンの必要量は、成人男性で13-16mgNE/日(NE=ナイアシン当量)、成人女性で10-12 mgNE/日です。
ただし、令和元年国民健康・栄養調査結果の概要によると日本人のナイアシンの平均摂取量は、成人男性で34.5 mgNE/日、成人女性で28.6 mgNE/日、男女計でも31.3 mgNE/日となっているため、ペラグラを引き起こすようなナイアシンアミド不足を心配する必要はないでしょう。
ナイアシンアミドは『ビタミンB群』の一種
ビタミンB群の一種であるナイアシンアミドは、体内での酸化還元酵素の反応を助ける補酵素の構成成分です。
補酵素は、それだけでは活性を示さない酵素の反応を助ける低分子有機化合物のことを指す物質です。
ナイアシンアミドは体の中で補酵素として、糖質や脂質、たんぱく質の代謝やエネルギー産生、脂肪酸やステロイドホルモンの生合成、ATP産生、DNAの修復・合成、細胞分化、アルコールの代謝にも関わるなど多くの働きがあります。
それでは、ナイアシンアミドはどのように摂取するのが良いでしょうか。
これにはいくつかの方法があげられます。
「食事からとること」、「体内で合成することと」、「スキンケアなど外から摂取する方法」です。
食事から摂取するには、たらこやカツオなどの魚介類、舞茸といったキノコ類にナイアシンアミドが多く含まれるため、これらの食材を積極的にとりましょう。
熱に強く壊れにくいことが特徴ですが、水に溶けだしやすいため煮汁ごと食べるような調理法がおすすめです。
また、肝臓では必須アミノ酸であるトリプトファンから合成できます。
皮膚や粘膜を正常に保ったり、血流をよくしたりする作用があるナイアシンアミドは水によく溶けるため、皮膚から体に取り入れることも可能です。
このため、ナイアシンアミドは化粧水や美容液などの様々なスキンケア用品にも配合され、販売されています。
厚生労働省が美容効果を承認している有効成分
ナイアシンアミドには、角質層の形成を促進することで皮膚のバリアー機能を改善、真皮コラーゲンの産生を促進する効果が厚生労働省によって認められています。
コラーゲン産生が促進されることで、シワの改善に効果が期待できます。
また、メラニンをつくる細胞におけるメラニン生成を抑制することも厚生労働省が効果として認めています。
このため、ナイアシンアミドは美白の有効成分としての使用が可能です。
加えて、ナイアシンアミドには皮膚の状態を正常にする効果があることが知られています。
たとえば、紫外線ダメージによるDNA損傷の修復の促進をはじめ、お肌の老化を引き起こす活性酸素の生成を除去する抗酸化作用、適切な水分量を保つことによる肌荒れ抑制効果などがあります。
ほかにもナイアシンアミドが補酵素の一種であり、エネルギー産生に関わるNAD構成成分であることからのエネルギー産生促進など、多くの肌に良い効果があげられます。
また、下記すべての項目で安全性が確認されています。
● 皮膚刺激性
● 皮膚感作性
● 眼刺激性
● 光毒性
● 光感作性
● アクネ菌増殖性
2. ナイアシンアミド配合のスキンケア用品の特徴
ナイアシンアミドがお肌のシワや肌荒れ、美白に効果があることが分かりました。
それではナイアシンアミド配合のスキンケア用品は、そのほかの美白やシワの改善効果が認められている成分が配合されたスキンケア用品と何が異なるのでしょうか。
ナイアシンアミド配合のスキンケア用品とそのほかのスキンケア用品の違い、それはナイアシンアミドの肌への刺激が少なく、敏感肌や乾燥肌の方でも使えることです。
レチノールという成分は、表皮と真皮に働きかけることでシワの改善などに効果があります。
レチノールも厚生労働省によって効果が認められている有効成分です。
一方、ナイアシンアミドはレチノールと同じ様にシワの改善効果がありながら、レチノールと比べて肌への刺激が小さいことが特徴のひとつです。
レチノールの効果についても簡単に説明いたします。
ビタミンAの一種であるレチノールは脂溶性の抗酸化ビタミンであり、皮膚や粘膜を健やかに保つといった働きがあります。
抗炎症効果があるため、昔からニキビの治療にも使われてきました。
レチノールは肌のターンオーバーや、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生も促せます。
これらの働きが、シワ改善に効果を発揮するのです。
ビタミンAが不足している肌に急にレチノールを供給すると、レチノイド反応(A反応)と呼ばれる反応が起き、乾燥感や赤み、かゆみ、皮剥けといった皮膚症状が現れます。
一方で肌に低刺激のナイアシンアミドでは、このような症状が起こりにくいです。
このため、ナイアシンアミド配合のスキンケア用品は肌が敏感な方にもおすすめのスキンケア用品となっています。
ほかにも、レチノールは日光で分解しやすいため主に夜に使う、日中は使ったあとに日焼け止めが必須といった使用上の注意点がありますが、ナイアシンアミドには光で分解しやすいといった性質はありません。
昼夜関係なく肌に使えることもナイアシンアミドの特徴です。
3. ナイアシンアミドの4つの美容効果とは
厚生労働省にもナイアシンアミドの効果が認められており、近年美容成分としても注目されていますが、具体的にどのような働きと効果がある成分なのでしょうか。
ナイアシンアミドには4つの美容効果が主にあげられます。以下で詳しく紹介いたします。
ナイアシンアミドの美容効果
● 効果1 シワの改善効果
● 効果2 しみやそばかすの予防
● 効果3 肌荒れの予防
● 効果4 ニキビの予防
効果1 シワの改善効果
肌のシワやたるみは、細胞の老化や活性酸素による影響、紫外線による線維芽細胞の損傷、コラーゲンや肌のハリを保つために必要なエラスチンの産生が減ることで起こります。
ナイアシンアミドは肌の真皮にある線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンの産生を促進するという報告があります。
肌の真皮は細胞成分と間質成分から構成されていますが、主成分の間質性分には大部分がコラーゲンからなる膠原繊維が含まれています。
コラーゲンが豊富にあるうちは肌にシワはできにくいのですが、長期間の紫外線の刺激によってコラーゲン繊維の減少やコラーゲン繊維構造が崩壊することでシワができやすくなります。
ほかにも加齢など細胞の老化によってコラーゲンの合成機能が落ちてしまうことで、肌の弾力の低下、ハリや潤いが失われシワやたるみができます。
ナイアシンアミドを含む保湿剤を塗ることで、シワ改善効果が確認されたという検証結果も報告されています。
これらのことから、ナイアシンアミドはコラーゲン生成の促進を行い、肌にハリや潤いを与えることでシワの改善効果があると見込まれます。
効果2 シミやそばかすの予防
シミやそばかすはどのように発生するのでしょうか。
肌に紫外線刺激が当たると、表皮でメラニンを産生する細胞であるメラノサイトを活性化する因子が分泌されます。
このメラノサイト活性化因子によりメラノサイトの増殖、メラノサイトでメラニンの生合成が促進されるのです。
メラニンは、メラノサイト内にあるメラニンを貯蔵する細胞内小器官であるメラノソーム内で合成され増えていき、一定量に達するとメラノサイトから伸びている突起を通して表皮に送り込まれます。
ナイアシンアミドは、メラニンがメラノサイトの突起を通して表皮に送られるのを抑制する作用があります。
メラノソームで作られたメラニンを肌の表面まで到達させないため、ナイアシンアミドにはシミやそばかすの予防効果があるのです。
効果3 肌荒れの予防
ナイアシンアミドは肌の角質層に働きかけ、セラミドを合成する作用があります。
セラミドとは、表皮の角質層にある肌の潤いを保つ保湿因子のひとつです。
天然の保湿因子には皮脂膜、天然保湿因子、細胞間脂質の3つがあります。
セラミドはこのうち角質層の潤いの80%以上を担うといわれる細胞間脂質の50%を占めており、お肌の水分保持に重要な役目を果たしています。
一方でごしごしと肌をこする洗い過ぎや、乾燥寒冷下に長い時間置かれることなどの外的要因、アトピー性皮膚炎や加齢などの内的要因でセラミドが減少すると、細胞間脂質がスカスカの状態になってしまいます。
すると、できてしまった隙間から水分の蒸発が起こりやすくなり、ドライスキンを発症する可能性があります。
この状態では肌のバリアー機能も低下しているため外部からの刺激を受けやすくなり、肌荒れが起きやすい状態になります。
ナイアシンアミド配合のスキンケア用品を使うと、セラミドの合成が行われます。結果、バリアー機能が改善され、潤いが保たれることで肌の乾燥を防ぎ、肌荒れの予防にもつながります。
効果4 ニキビの予防
肌のターンオーバーが乱れ皮脂が溜まることで、毛穴がつまることがあります。
毛穴につまった皮脂は皮膚の常在菌であるアクネ菌のエサとなるため、アクネ菌が毛穴の奥で増殖してしまいます。
すると増えすぎたアクネ菌に対抗するため、肌に炎症反応が引き起こるのです。
また、ナイアシンアミドにはセラミドやコラーゲンの生成を助ける効果があるため、肌の水分量を適切に保つ効果が見込まれています。
肌のバリアー機能が改善されると、外部の刺激から肌を守ることが可能です。
アクネ菌による肌への外部刺激に負けない皮膚になることで、ニキビの予防も期待できます。
過剰な脂質が皮脂腺細胞に送られることで、皮脂の分泌につながることが知られています。
ナイアシンアミドはエネルギーを産生するために必要な酵素を助ける補酵素の構成成分であることから、エネルギー産生を促進する効果がわかっています。
エネルギー産生が盛んになると、過剰な脂質が使われ、皮脂腺細胞に送られる脂質が低下します。
結果、皮脂の産生が減るため、皮脂のバランスを整えることにつながりニキビの予防にもなるでしょう。
また、ナイアシンアミドには炎症性物質の産生を阻害することが報告されています。
皮脂バランスを整え炎症を抑える効果があることから、炎症によって起こるニキビの予防も期待できます。
4. ナイアシンアミドの効果を感じられるまでの期間
ここまでの記事を読んで、ナイアシンアミド配合のスキンケア用品を使ってみたいけど、一体どのくらいの期間使えば効果が出るのかとお考えの方もいるでしょう。
ニキビや肌荒れなどのトラブルが2週間ほどで治まったという声もありますが、シワの改善やシミやそばかすに対する効果は1か月から3か月を見込んでおきましょう。
理由ですが、ナイアシンアミド配合のスキンケア用品は薬ではないため、即効性はないためです。
ではなぜ1か月から3か月という期間なのでしょう。この答えは、肌のターンオーバーの期間によるものです。
「肌が生まれ変わるサイクル」という意味であるターンオーバーは、健康な20代の方で約28日、40代の方で45日ほどといわれています。
肌が生まれ変わるまでに1か月から1か月半かかるため、ナイアシンアミドの効果が出るのも早くて1か月後からなのです。
このため、ナイアシンアミド配合のスキンケア用品を使用する際は効果がすぐに感じられなくても、1か月は使ってみることをおすすめします。
一方でナイアシンアミドは低刺激性の成分ですが、人によってはかゆみや痛み、赤みなどの皮膚トラブルが出ることもあります。
こういったトラブルが出なければまずは1か月、じっくり試してみましょう。
5. ナイアシンアミド配合のスキンケア用品を選ぶポイント
ナイアシンアミド配合のスキンケア用品には様々な種類があるため、どのような製品を選ぶべきかのポイントについて紹介いたします。
ポイントはナイアシンアミドの効果を感じたい場合に選ぶべき製品と、ナイアシンアミド以外の配合成分です。
化粧品か医薬部外品かで選ぶ
ナイアシンアミドが配合されたスキンケア用品は、主に化粧品扱いの商品と、医薬部外品扱いの商品の2種類に分類されます。
医薬部外品は、「医薬部外品」や「薬用」と表示されている製品が該当します。
医薬部外品とは、医薬品と化粧品の中間にあたり、厚生労働所が許可した有効成分が一定の濃度で配合されている製品を指します。
薬用という表示も医薬部外品として認められているため、薬用と医薬部外品は同じ意味を持ちます。
ナイアシンアミドの医薬部外品での配合量は、化粧水で「0.1%~1%」クリームや乳液、ハンドクリーム、化粧用油などには「0.1%~3.5%」が上限として配合されています。
一方、化粧品扱いの商品は、ナイアシンアミドなど有効成分の配合量に上限や下限がありません。
ナイアシンアミド配合とうたっていても、濃度が薄いタイプの製品から、反対に濃度が濃いタイプの製品まで様々な製品が存在します。
求めている効果や、ご自身の肌の状態にあわせて選びましょう。
その他の配合成分もチェック
ナイアシンアミド以外に含まれる有効成分をチェックすることも、肌の悩みにあったスキンケア用品を選ぶポイントです。
以下はナイアシンアミドと併用するのにおすすめの成分ですので、これらの成分がご使用者の肌のタイプに合うかどうかみてみましょう。
ナイアシンアミドと併用するのにおすすめの成分4つ
・ レチノール
・ トラネキサム酸
・ ヒアルロン酸
・ サリチル酸(BHA)
これらの成分について、ひとつずつ詳しく説明いたします。
加齢によるシワやたるみタイプにはレチノール
レチノールはビタミンAの一種で、ナイアシンアミドと同じくお肌の生まれ変わりであるターンオーバーや、お肌のハリをキープするコラーゲンやエラスチンの生成を促進する成分です。このため、シワの改善に効果があります。
レチノールもナイアシンアミドと同じく厚生労働省によって効果が認められている成分です。
そのほかにもシミの改善や毛穴の黒ずみの改善、ニキビの治療、ニキビ跡の改善効果も認められています。
ただし、人によっては刺激が強く、紅斑や乾燥が出ることもあります。
シミ、そばかすタイプはトラネキサム酸
トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸の一種で、メラニンの生成を抑えたり、アレルギーや炎症を抑えたりする効果がある成分です。このトラネキサム酸も厚生労働省によって美白効果があると認められています。
これは一般的なシミである老人性色素班と肝斑の治療にもトラネキサム酸が使われることからもわかります。
トラネキサム酸はもともと湿疹やじんましんなどの治療や、止血の治療薬として使用されていました。
歯磨き粉などにも使われている安全性が高い成分ですが、人によっては肌荒れなどの副作用が出る場合もあります。
乾燥タイプにはヒアルロン酸
ヒアルロン酸はムコ多糖体と呼ばれる物質で、もともと肌の真皮に含まれており肌のみずみずしさや柔らかさを保っていることが知られている成分です。このためスキンケア用品に含まれていても安心して使えます。
ヒアルロン酸は1gで6Lもの水分を保持でき、この働きで真皮内に水分を保持することが可能です。
ヒアルロン酸が少なくなると、肌のハリが失われてしまいます。
ヒアルロン酸配合のスキンケア用品を塗ることで角質層の水分量を整え、肌を保湿することが可能です。
脂っぽいニキビタイプにはサリチル酸
サリチル酸はベータヒドロキシ酸(BHA)とも呼ばれ、脂性肌のピーリング成分として利用される成分です。脂溶性のため、毛穴内部に浸透し、皮脂や厚くなった角質を分解し肌を滑らかにする効果があります。
以前は防腐剤として使われていたこともあり、殺菌力がある成分です。
このため、アクネ菌などの殺菌にも有効で、ニキビのある脂っぽいタイプの肌におすすめです。
6. ナイアシンアミドの効果的な使い方
シワの改善、シミやそばかすの予防、肌荒れやニキビの予防に効果があるナイアシンアミドですが、より効果的に使うためには使用するタイミングや手順を抑えて使用することが大切です。
また、ナイアシンアミド以外の有効成分と併用する際の注意点など、いくつか気を付けるポイントがあります。
ここではよりナイアシンアミドを効果的に肌に取り入れるための使い方を解説いたします。
朝晩のお手入れに取り入れる
ナイアシンアミド配合のスキンケア用品ですが、敏感肌の方にも使いやすい低刺激の成分であるため、朝晩のお手入れに取り入れるとより効果的です。
レチノールのように光に弱いという性質もなく、朝使用すると肌のバリアー機能を高めて乾燥などの肌のトラブルを防ぎます。
夜は成長ホルモンが分泌されるため、肌が生まれ変わる際にナイアシンアミドを取り入れることでハリやシワの改善、美白効果など肌ダメージ回復のサポートやエイジングのケアが期待できます。
メーカーがおすすめする手順で使用する
ナイアシンアミド配合のスキンケア用品といっても化粧水、美容液、クリームと多岐にわたります。
ほかにも多くの肌に良い成分が含まれていることもあり、どの順番で使えばいいのかと迷うこともあるでしょう。
効果的な方法は、「メーカーがおすすめする手順のとおり使用する」ことです。
肌は表面の部分の親水性がもっとも低く、中に入っていくと親水性が高くなる構造をしています。
水溶性のナイアシンアミドは洗顔後の肌に使うのが一般的ですが、各メーカーの製品によって効果的に取り入れる順番は異なります。
間違った順番で使用すると、ナイアシンアミドの効果が十分に得られません。
メーカーが推奨している使用順は親水性についても考えて作られているため、もっとも効果が期待できる方法といえるでしょう。
ほかの有効成分と併用して使うのもおすすめ
単体でも効果のあるナイアシンアミドですが、ほかの有効成分と併用するのも相乗効果が得られるのでおすすめです。
ナイアシンアミドによるシワの改善効果が目的の場合は、同じくシワの改善効果が厚生労働省によって認められているレチノール配合のスキンケア用品を併用すると良いでしょう。
親水性の高いナイアシンアミド配合の化粧水を使用したあとに、レチノール配合のクリームなど油分の多い製品を使うと効果的です。
ナイアシンアミドの美白効果が目的の場合は、美白効果のあるトラネキサム酸配合のスキンケア用品を一緒に使うのも良いでしょう。
顔のパーツ別使い方のポイント
ここまでは、ナイアシンアミドを効果的に肌に取り入れるための手順などを紹介してきました。
スキンケア用品のパーツ別の使い方にもポイントがあります。以下では顔のパーツごとのおすすめの塗り方を解説いたします。
目元は目頭から目じりに向かって優しく馴染ませる
乾燥によってできる目元の細かいシワにも、ナイアシンアミドは効果的に働きかけます。
目元は顔の中でも皮膚が薄い部分であるため、刺激を受けやすい場所となっています。
このため、ナイアシンアミドのスキンケア用品を塗る場合は濃度の薄いものから試してみると良いでしょう。
徐々に濃度が高い製品を使っていくと、肌トラブルも起きにくいです。
また、目元に塗る際は目頭から目尻に向かって優しくなじませることもポイントです。
マッサージ効果で目の周りの血流が改善されるため、クマや皮膚のたるみを改善する効果も期待できます。
おでこはシワを寄せずにゆっくり塗りこむ
おでこのシワには加齢や紫外線、乾燥、特定の表情など多くの原因があり、老けて見られる原因になるため、気にされている方も多い箇所です。
できてしまったおでこのシワにも、ナイアシンアミド配合のスキンケア用品は効果があります。
シワの奥までナイアシンアミドを塗るために、まずはシワを伸ばすように真顔をします。
そして、シワの溝の奥までスキンケア用品をゆっくり塗り込むと効果的です。
その後はおでこの筋肉の緊張を取るためにマッサージも行いましょう。
顔と一緒に首回りもケアをする
気がつくと深いシワができがちな首回りを気にされている方も多いのではないでしょうか。
首周りのシワは、紫外線や乾燥に限らず、悪い姿勢や同じ姿勢を取り続けること、枕の高さがあっていないこと、加齢などが原因となります。
シワのできやすい首周りは、皮膚が薄い部分です。
このため、いきなり高濃度のナイアシンアミド配合のスキンケア用品を使うことは避けて、濃度の薄いものから順に試しましょう。
顔と同じように、化粧水などで保湿してからナイアシンアミドを塗り、最後にクリームなどで蓋をします。
顔と一緒に首周りも優しくケアをすれば手間もかかりません。
7. ナイアシンアミドを使う際に注意点はある?
ナイアシンアミドは自然界に存在しており、また体の中で合成できる安全性の高い成分です。
肌への刺激や副作用も少ないため、肌トラブルがあるような方も含め多くの方に使用いただけます。
一方、すべての方の肌に100%トラブルが起こらないとは言い切れません。
スキンケア用品に含まれるナイアシンアミドの濃度が高すぎると、肌に刺激を感じることもあります。
そのほかの成分である香料や添加剤によって、赤みやかゆみなどのトラブルを起こすこともあるでしょう。
敏感肌で心配な方は、事前にパッチテストをしてから使用を開始することをおすすめします。
まずは少量、ナイアシンアミドの濃度が低いスキンケア用品からパッチテストを行い使ってみることが大切です。
パッチテストで問題がなくても続けているうちに刺激や赤みなどのトラブルが起きてしまったら、速やかに使用を中止して皮膚科など専門医に相談しましょう。
まとめ
ナイアシンアミドについて、特徴やスキンケア用品を選ぶポイント、効果的な使い方などを紹介しました。
ナイアシンアミドは多くの美容効果があり、さらに皮膚に優しく敏感肌や乾燥肌の方など多くの方が使える嬉しい成分です。
肌が敏感だから美白なんて無理、と諦めていた方でも使えるおすすめのアイテムです。
シワの改善、シミやそばかすなどの予防をしてみたい方はぜひ、普段のスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。