肌荒れを放置すると早く老ける?インフラマエイジングとは?
「肌がカサカサする」「ニキビがなかなか治らない」といった肌荒れを放置していませんか。
はじめはそこまでひどくなかった肌荒れも、放置すると炎症を伴う皮膚疾患に発展することがあります。
最新の研究では、炎症している肌荒れを放置すると「インフラマエイジング」という、肌の老化を促進させる現象につながることもわかっています。
今回は肌荒れを放置すると起きるインフラマエイジングと、肌荒れの症状別スキンケア方法などをご紹介します。
1. 肌が荒れた状態とはどのような状態?
肌が荒れている状態とは、肌に「吹き出物やニキビができている」・「毛穴が目立つ」・「肌がカサカサする」・「ブツブツができている」など、肌に何らかのトラブルが起きている状態を指します。
肌荒れの症状は人それぞれですが、原因は肌に備わっているバリア機能が低下していることが考えられます。
「肌のバリア機能」とは、角質層にある肌の内側のうるおいを保ち、外からの刺激や異物侵入を防ぐ肌の仕組みのことです。
角質層の表面は「皮脂」で覆われ、内側は「角質細胞間脂質」や「天然保湿因子」などのうるおい成分で満たされています。
これらのはたらきにより外的刺激から肌が守られ、肌荒れを防いでくれているのです。
2. 肌が荒れてしまう原因は?
肌が荒れてしまう原因はさまざまですが、根底には肌のバリア機能低下があります。
バリア機能が低下した肌は、外からの刺激を受けやすく、ホルモンバランスやストレスといった身体の内側からの影響も受けやすい状態にあります。
肌が荒れてしまう原因を、ひとつずつみていきましょう。
原因1:乾燥
冬の乾燥した空気や、エアコン・暖房によって湿度が下がることで肌は乾燥します。
また洗浄力の強い洗顔料の使用や、角質ケアのやりすぎは必要な皮脂まで奪ってしまい、肌が乾燥する原因になります。
原因2:PM2.5・黄砂などの大気汚染物質
PM2.5や黄砂などの大気汚染物質がアレルゲンとなり、肌に悪影響を及ぼすことがあります。
特にバリア機能が低下している肌は、外部からの刺激を受けやすい状態にあります。
肌に大気汚染物質が付着すると、肌にかゆみを引き起こしたり、炎症を起こしたりして肌にダメージを与えます。
原因3:紫外線
紫外線は肌を乾燥させ、バリア機能を低下させる原因になります。
乾燥した肌は、肌内部に紫外線が侵入しやすく、さらに乾燥が進んで炎症を引き起こすこともあります。
また紫外線から肌を守る防御反応として、「角質肥厚」が起こります。
角質肥厚とは紫外線から肌を守るために、角質を厚くして肌を守ろうとするはたらきで、ゴワつきや乾燥といった肌荒れの原因になります。
原因4:ストレス
ストレスにより自律神経が乱れると、血流が悪くなりターンオーバーのサイクルが乱れてしまいます。
ターンオーバーとは古い角質と新しい細胞が生まれ変わるサイクルのことで、健やかな肌作りに欠かせないはたらきです。
肌を作る栄養は血流に乗って運ばれていくため、血流が悪くなると肌に十分に届かなくなります。
その結果ターンオーバーのサイクルが乱れ、肌荒れが起きてしまうのです。
特に女性の場合、ストレスを感じると男性ホルモンの分泌が増え、皮脂が多く分泌されることもわかっています。
原因5:ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、生理の前などにホルモンバランスが乱れて肌荒れが起きることがあります。
女性ホルモンである、エストロゲン(卵胞ホルモン)・プロゲステロン(黄体ホルモン)は、通常はバランスを保ちながら分泌されています。
しかし生理の前になるとプロゲステロンが多く分泌されるようになり、プロゲステロンは男性ホルモンと似たはたらきをするため、皮脂が多く分泌されてしまうのです。
原因6:睡眠不足・偏った食生活
睡眠不足や偏った食生活など、生活習慣の乱れは肌荒れを招く原因です。
睡眠不足が続くと肌のターンオーバーのサイクルが乱れてしまい、肌の乾燥や毛穴詰まりなどの肌荒れを引き起こします。
また脂っこい食事や甘いお菓子ばかり食べていると、栄養バランスが偏り吹き出物やニキビの原因になるため注意が必要です。
原因7:マスクによる擦れ
マスクを付け外しをするときや、表情に合わせてマスクが動くと、肌とマスクが擦れて摩擦のダメージが加わります。
するとかゆみや赤みなどの肌荒れが起きやすくなります。
原因8:あわないスキンケアの使用
肌が敏感な方や、アレルギー体質の方は、化粧品に含まれる成分で肌荒れを起こすことがあります。
化粧品を使用して肌がヒリヒリする、赤みが出たりするようならアレルギー症状が出ているかもしれません。
あわないスキンケアの使用による肌荒れは、「接触皮膚炎」もしくは「アレルギー性接触皮膚炎」が考えられます。
接触皮膚炎は肌に触れた刺激が原因で起きるもので、だれでも生じる可能性があります。
一方アレルギー性接触皮膚炎は、何らかの成分を身体が異物と判断し肌荒れが起きます。
特にアルコールや香料、着色料、ヘアダイの染料でアレルギー症状が起きることが多く、これまで使用していて問題がなかった化粧品であっても、突発的に起きる可能性があります。
3.肌荒れを放置しているとどうなる?
肌荒れが起きている状態を放置していると、たるみやシワ、くすみなど肌の老化を加速させる恐れがあります。
さらに肌のバリア機能がどんどん低下してしまい、皮膚疾患につながることもあるのです。
最新の研究では肌の炎症が慢性化すると、肌の老化が進む「インフラマエイジング」という現象も注目されています。
肌荒れを放置するリスクについてみていきましょう。
新たな肌トラブルを引き起こす
最初は肌がカサカサする程度の肌荒れであっても、そのまま放置しておくと症状が悪化する恐れがあります。
肌荒れを起こしている肌はバリア機能が低下しており、少しの刺激でもダメージを受けやすい状態です。
肌の乾燥から炎症や湿疹に発展し、さらに症状が深刻になると以下のような皮膚疾患に発展する恐れもあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が発生する皮膚の病気です。乳幼児に多くみられる病気ですが、成人してから発症することもあります。
発症の要因は食生活の乱れや精神的ストレスなどが関係しており、肌のバリア機能低下も要因のひとつです。
乾皮症(皮脂欠乏症)
乾皮症は肌表面の皮脂が不足し、肌内部の水分が蒸発することで発症する皮膚疾患です。症状の出始めは皮膚がカサカサする程度ですが、症状が進むとかゆみを伴うようになり、鱗状になって皮膚が剥がれ落ちるようになります。
乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)
乾燥性皮膚炎は、肌の乾燥に伴いかゆみや炎症、湿疹の症状が出る皮膚疾患です。乾皮症が悪化すると、乾燥性皮膚炎に発展することがあります。
乾燥肌はしばしばかゆみを伴うことが多く、掻くことで炎症が起こり、さらにかゆみが増して症状が悪化するという悪循環に陥りやすいのが特徴です。
インフラマエイジングを引き起こす
インフラマエイジングとは、慢性化した炎症により肌の老化が進む現象のことをいいます。
炎症とは肌に備わる防御反応のことで、肌内部に侵入してきた異物を排除するために起きる反応です。
身体の免疫を担う細胞が異物を排除する際に、周りの細胞を巻き込んで炎症させてしまうため、炎症が起きると肌に赤みや火照りがみられます。
最新の研究では炎症反応が完全に治らず、慢性化することで身体にさまざまな悪影響を及ぼすことがわかりました。
特に肌においては炎症が慢性化すると、たるみやシワといった老化症状を促進させることがわかっています。
しかしなぜ慢性化した炎症により老化症状が促進されるのか、そのメカニズムは未だ解明されていません。
インフラマエイジングを改善するには、炎症の原因を取り除くこと、炎症を止める機能を正常にすることがポイントです。
これまでは乾燥や紫外線など、外部刺激によって起きた炎症は「抗炎症」で対策するのが主流でした。
しかしインフラマエイジングに対しては、炎症を止める「消炎症」が必要です。
正しいスキンケアでバリア機能を回復させておくことも、インフラマエイジングを防止する手助けとなるでしょう。
4. 肌荒れ別おすすめのスキンケア方法
肌荒れを改善するスキンケア方法は、肌の状態に合わせて行うことが大切です。
肌の乾燥・肌の炎症・ニキビ肌と、肌荒れのタイプ別にスキンケア方法をご紹介します。
肌の乾燥
乾燥が進んでいる肌は、角質層のうるおい成分と皮脂が不足している状態を指します。
必要以上に皮脂を取りすぎないクレンジング・洗顔と、肌の角質層までうるおいを届ける保湿ケアを行うのがポイントになります。
1. クレンジング
皮脂を取りすぎない、ジェルタイプ・ミルクタイプ・クリームタイプ・ウォータータイプがおすすめです。クレンジングをする際は肌に刺激を与えないよう、優しく肌をなでるようにメイクを落とします。
2. 洗顔
しっかりと泡を立てて、肌をゴシゴシ擦らないように洗顔するのがポイントです。肌に刺激を与えにくい、敏感肌用・低刺激処方・弱酸性のアイテムがおすすめです。
3. 化粧水
洗顔後は肌についた水分といっしょに、肌内部の水分も蒸発しやすい状態です。洗顔後はすぐに化粧水で肌を保湿します。
セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなど、保湿効果の高い成分が含まれた化粧水がおすすめです。
4. 美容液
乾燥が進んだ肌は、角質層のうるおいが不足してバリア機能が低下している状態です。角質層まで水分を補える、美容液がおすすめです。
5. 乳液orクリーム
化粧水や美容液を付けたあとは、肌から水分が逃げないよう乳液やクリームでフタをしましょう。乳液やクリームに含まれる油分が肌表面に膜を張り、肌を保護する役割もします。
肌の炎症
肌に赤みを帯びている、かゆみや痛み、腫れなどが起きている場合、炎症が起きている可能性があります。
炎症が起きている肌は特に敏感になっており、バリア機能も低下している状態です。
保湿をして、バリア機能を回復させることがポイントになります。
炎症が起きている肌には、敏感肌用や低刺激処方などのスキンケアアイテムを使用し、なるべく刺激を与えないケアを心がけましょう。
1. クレンジング
肌をこすらないよう優しくメイクを落とします。炎症が起きているあいだは、ベースメイクはできるだけ控えて日焼け止めだけ塗るまでに留めるのがベストです。
2. 洗顔
泡立ちの良い洗顔料で、優しく汚れを落とします。熱いお湯ですすぎを行うと皮脂を取りすぎるため、ぬるま湯を使用してください。
3. 化粧水
洗顔後は肌がふやけて乾燥しやすい状態になります。洗顔後はすぐに化粧水で保湿しましょう。
抗炎症作用のある「グリチルリチン酸2K」や「グリチルレチン酸ステアリル」が含まれた化粧水も有効です。
4. 美容液
炎症が起きている肌はかゆみを伴うことがあり、掻くことで炎症を悪化させ、バリア機能を低下させる悪循環になりかねません。角質層までうるおい成分が届く美容液がおすすめです。
5. 乳液orクリーム
最後に乳液またはクリームを塗って、肌を外的刺激から守るよう保護します。ニキビ肌
ニキビは過剰に分泌された毛穴に皮脂がつまり、ニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖することで起こります。
皮脂を適切に落とし、常に肌を清涼に保つことが大切です。
また大人ニキビは肌が乾燥しているために、皮脂が過剰に分泌されてニキビが起きていることもあります。
余分な皮脂を取り除くだけでなく、十分に保湿を行うこともニキビ肌ケアのポイントです。
1. クレンジング
ニキビは刺激を与えると悪化しやすいため、ゴシゴシこすらないよう優しくクレンジングします。2. 洗顔
ニキビを刺激しないよう、しっかり泡立てて洗顔します。また洗顔料のすすぎ残しはニキビの原因になります。
フェイスラインや生え際までしっかりとすすぎましょう。
3. 化粧水
ニキビの原因は皮脂が毛穴に詰まることだけでなく、乾燥が影響することもあります。化粧水でたっぷり水分を補給し、皮脂のバランスを整えましょう。
4. 美容液
乾燥が原因でできているニキビには、保湿効果の高い美容液の使用も効果的です。軽い使用感の美容液がおすすめです。
5. 乳液
クリームは油分が多く含まれているため、ニキビを悪化させる恐れがあります。クリームよりも油分の少ない、乳液で肌を保護しましょう。
5. 肌荒れしているときの注意点
肌荒れしている肌はバリア機能が低下しており、ちょっとした刺激もダメージになります。
肌の負担になることは避けるよう徹底しましょう。
刺激になりやすい成分が入ったスキンケアは避ける
肌荒れしている肌は、通常よりも刺激に敏感になっています。
刺激になりやすい香料やアルコール、鉱物油はできるだけ避けましょう。
● 香料
化粧品に香りづけをするために配合される成分です。香料が複数配合されることもあり、バリア機能が低下している肌の刺激になる可能性があります。
● オーガニック化粧品
日本ではオーガニック化粧品と位置付けるための規定や基準が設けられていません。オーガニックだから刺激がなく、肌に優しいというわけではないため、成分をよく確認してから使用してください。
● アルコール
アルコールは化粧品に清涼感をもたせられるほか、成分を溶かすために配合されています。アルコールにアレルギーがない限り、使用しても問題のない成分です。
ただし肌荒れしている肌には刺激となる可能性があります。
● 石油系合成界面活性剤
石油系合成界面活性剤はシャンプーや石鹸など、化粧品に多く含まれる成分です。洗浄力が高くタンパク質まで分解する性質があるといわれており、肌のバリア機能を破壊する可能性があります。
肌荒れしているときには以上のような成分が無添加のもの、「敏感肌用」や「弱酸性」と表記された化粧品を使用するのがおすすめです。
敏感肌用化粧品は刺激になりやすい成分が無添加、保湿効果が高く作られています。
また健康な肌のpHは弱酸性です。
肌と同じ弱酸性の化粧品を使うほうが、肌への負担が少ないといわれています。
スキンケアの際に肌はこすらない
ゴシゴシこすってしまう、強すぎるパッティングは肌へ刺激になります。
クレンジングや洗顔のときはやさしく肌に触れ、化粧水をつけるときはハンドプッシュしながらつけてください。
コットンを使用する際も同様に、こすらず肌の上を滑らすように使用しましょう。
角質のケアは避ける
角質ケアとは、古い角質を落としてターンオーバーを助けるためのスキンケアです。
角質ケアアイテムにはスクラブが入った洗顔料や、ピーリング化粧水などがありますが、肌荒れしている肌には刺激になる可能性があります。
角質の取りすぎはかえってバリア機能を低下させる原因になります。
クレンジングや洗顔料を見直す
クレンジングや洗顔料は、自分の肌状態にあったものを使用することが大切です。
たとえば乾燥している肌に洗浄力の高いアイテムを使用すれば、乾燥が進んで肌荒れの原因になります。
一般的にオイルタイプのクレンジングは洗浄力が高く、皮脂を取り除く力も強いです。
肌荒れをしているときは洗浄力がマイルドなミルクタイプやジェルタイプ、クリームタイプ、ウォータータイプのクレンジングを使用するのがよいでしょう。
ただし洗浄力がマイルドなクレンジングは、ウォータープルーフタイプのマスカラや日焼け止めを落としきれないことがあります。
必要に応じてポイントメイククレンジングなどを使い分けるようにしましょう。
メイクは落としてから就寝する
メイクを落とさずに寝ると、1日分の皮脂やメイク汚れが肌に残り、ニキビや乾燥の原因になります。
また外気に触れたメイクは、酸化して肌を老化させる原因にもなるのです。
メイクは必ず落としてから就寝するのが理想ですが、もしも落とし忘れてしまったときは入念にクレンジングしてください。
クレンジング前にホットタオルを肌に当てて、毛穴を開かせておくと汚れを落としやすくなります。
また素早くメイクを落とすのに、拭き取りクレンジングを使用するのもよいでしょう。
拭き取りクレンジングは素早くメイクを落とすと同時に、保湿もできる便利アイテムです。
疲れて帰ってきた日のために、拭き取りクレンジングをひとつ持っておくと役に立ちます。
完治しない場合は医薬品や治療薬を検討する
完治しない肌荒れは、医薬品の使用を検討しましょう。
医薬品とは病気の治療を目的にした薬のことで、配合された有効成分の効果が認められています。
また市販の治療薬も肌荒れの改善に効果的です。
ただし医薬品や治療薬を使用しても肌荒れが治らない場合は、使用を中止して皮膚科を受診しましょう。
肌荒れだと思っていた症状が皮膚の病気であったり、肌荒れの原因が身体の内側に潜んでいたりする可能性があるためです。
自己判断で医薬品や治療薬を使用し続けると、肌荒れが治らず悪化してしまう恐れもあるため注意してください。
6. 肌荒れの改善には生活習慣の見直しも重要
肌荒れを改善するにはスキンケアも大切ですが、体の内側からケアする生活習慣の見直しも重要です。
ライフスタイルに当てはまるものがあれば、ひとつずつ改善していきましょう。
食生活を見直す
食べたもので身体はできているといわれるほど、食生活は健康な肌にとって重要です。
炭水化物・脂質・タンパク質からなる三大栄養素を中心に、ビタミンやミネラルを摂れる食事を心がけましょう。
● タンパク質(肉類・魚類・卵・豆類など)
細胞の原料になる栄養素。肉類・魚類・卵・豆類に多く含まれます。
● 食物繊維(きのこ類・穀物類・海藻・野菜など)
便秘改善に効果的です。便秘が改善すると細胞の新陳代謝が高まり、肌荒れの改善にも効果が期待できます。
● ビタミンB群(レバー・牛乳・赤みの魚や肉など)
ビタミンBは肌の再生に必要なエネルギーを生成する成分です。ビタミンBが不足すると肌荒れが起きやすくなります。
● ビタミンC(キウイフルーツ・ブロッコリー・いちごなど)
石油系合成界面活性剤はシャンプーや石鹸など、化粧品に多く含まれる成分です。洗浄力が高くタンパク質まで分解する性質があるといわれており、肌のバリア機能を破壊する可能性があります。
● ビタミンA(レバー・卵黄・緑黄色野菜など)
ビタミンAは脂質の酸化を抑え、細胞の損傷を防ぐ効果が期待できます。睡眠をしっかりとる
健やかな肌を保つために欠かせないターンオーバーのはたらきは、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」によって促されます。
成長ホルモンは睡眠に入ってから3時間前後で分泌のピークを迎え、またターンオーバーが活発に行われるのは22時から2時の間といわれています。
成長ホルモンのピークタイムと、ターンオーバーが活発になる22時〜23時までに就寝するよう心がけましょう。
肌に合うマスクを使用する
マスク内は汗や呼吸により蒸れやすいため、通気性の良い素材でできたマスクを使用しましょう。
最近では飛沫を抑える機能性の高いマスクでも、さまざまな素材のマスクが販売されています。
たマスクは顔のサイズに合ったものを選ぶのがポイントです。
小さすぎるマスクは肌とこすれやすく刺激になります。
紫外線対策を徹底する
紫外線は晴れの日に限らず、雨の日もくもりの日も1年中降り注いでいます。
肌荒れしている肌は紫外線のダメージを受けやすいため、外出する際は必ず日焼け止めや日傘を使用しましょう。
日焼け止めを使用するときは「SPF」と「PA」の数値を確認し、使用シーンに合わせて使い分けるのが理想的です。
SPFは紫外線によって起こる炎症を防ぐ効果の目安を表し、数値が大きいほど効果は高くなります。
PAは紫外線A波(UVA)を防ぐ効果の目安で、「+」で表されます。
+の数が多いほど効果は高いです。
● 日常使い・・SPF15〜30、PA+
● レジャー・・SPF30〜40、PA++、+++
● 炎天下でのレジャー・・SPF50、PA++++
内側からのケアをする
肌荒れに負けない肌を作るには、身体の内側からのケアも欠かせません。
スキンケアで肌の状態をよくすることはできても、健やかな肌を作るには食事から摂る栄養が必要です。
栄養は血液に乗って運ばれるため、血液循環を良くする心がけも大切です。
身体の冷えは血液のめぐりを悪くするため、毎日湯船に浸かる、食事に温かい汁物をプラスするなど体を冷やさない工夫をしましょう。
定期的な運動を心掛ける
運動はホルモンバランスを整える効果や、新陳代謝を高めて血液やリンパの循環を良くする効果を期待できます。
血液循環がよくなると肌のターンオーバーが促され、肌荒れ改善にも効果的です。
ウォーキングやストレッチなど、かんたんに行える運動からはじめましょう。
7. 肌荒れしている時におすすめのスキンケアアイテム
肌荒れしているときにおすすめのスキンケアアイテムを、肌タイプ別にご紹介します。
敏感肌向け
敏感肌の方は肌のバリア機能が低く、刺激を受けやすい肌状態です。
敏感肌の方向けに開発された、「敏感肌用」や「低刺激処方」のスキンケアアイテムを使用しましょう。
そのほかにもアルコール無添加、香料無添加、パラベン(防腐剤)無添加など、肌の刺激になる可能性のある成分が無添加だとより安心です。
乾燥肌向け
乾燥肌の方は角質層までうるおい成分を届けられるヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなど、保湿効果の高い成分が配合されたスキンケアアイテムがおすすめです。
また乾燥肌の方はバリア機能が低下しやすいため、肌のバリア機能を高めるナイアシンアミドなどが配合されたスキンケアアイテムを選ぶようにしましょう。
混合肌向け
Tゾーンはベタつくけど頬は乾燥するといった混合肌の方は、保湿できるスキンケアアイテムを中心に選ぶのがおすすめです。
ベタつきを感じる部分も、乾燥が原因で皮脂が過剰に分泌されているのかもしれません。
ヒアルロン酸・セラミド・コラーゲンなど保湿力の高い成分が含まれた化粧水を顔全体に使用し、後につける乳液やクリームをパーツごとに塗り分けオイルコントロールしましょう。
ダメージ肌向け
ダメージが出ている肌はバリア機能が低下し、さらにトラブルがすでに起きている状態です。
できるだけ刺激になる成分が含まれていないスキンケアアイテムを使用し、保湿を重点的に行いましょう。
敏感肌用や低刺激処方、肌の負担になりにくい弱酸性のスキンケアアイテムもおすすめです。
肌荒れが治らないようなら、医薬品の使用も検討してください。
オイリー肌向け
ベタつきが気になる、ニキビができやすいなどのオイリー肌は、オイルバランスを整えられるスキンケアアイテムを使用しましょう。
乾燥が原因で皮脂が過剰に分泌されているケースもあるため、保湿も忘れてはいけません。
イチョウ葉エキスやマンニトールなどの成分は、皮脂のバランスを整える効果が期待できます。
オイリー肌でニキビができやすいという方は、ニキビの原因であるコメドを作りにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」のアイテムを選ぶと安心です。
まとめ
インフラマエイジングとは、肌の慢性炎症により老化が進んでしまう現象のことです。
肌荒れはバリア機能の低下が原因となっていることが多く、適切にスキンケアを行えば改善できます。
しかし「カサカサしているだけ」、「すぐに治る」と肌荒れを放置してしまうと、症状が悪化して炎症を伴う皮膚疾患に発展することもあるのです。
肌荒れは放置すると、たるみやシワ、シミなど肌の老化を早める原因になります。
肌荒れに気づいたら放置せず、スキンケアを見直して改善につなげていきましょう。