ヒアルロン酸とは?スキンケアに取り入ることで手軽にエイジングケア *が叶う!
肌の乾燥や小じわに悩む方の中には「ヒアルロン酸」についてご存じの方もいるでしょう。
保湿は、スキンケアの基本です。ヒアルロン酸は保湿力の高い成分で、多くのスキンケア商品に使われています。
一方、ヒアルロン酸が配合されていれば効果があるわけではありません。
ヒアルロン酸には種類や選び方、取り入れ方、特徴、使い方などにポイントがあります。
正しくヒアルロン酸を肌に取り入れてエイジングケア*をおこなうために、本記事ではヒアルロン酸について詳しく解説します。
1. ヒアルロン酸ってどのような成分?
スキンケアに興味を持っている方なら、「ヒアルロン酸」という成分について一度は聞いたことがあるかもしれません。
ヒアルロン酸は1グラムで6リットルの水を保持できるほど保水力が高く、もともと肌に存在する成分です。
潤いを保つことで肌をしっとりさせ、滑らかにすることが可能です。
また、ヒアルロン酸はエイジング効果もあり、乾燥によるシワなどを防いで肌をふっくらと潤いのある状態にします。
ヒアルロン酸とコラーゲンとの違い
肌の潤いを保つといった点では、「コラーゲン」という成分について聞いたことがある方もいるでしょう。
二つの大きな違いは、成分です。
ヒアルロン酸はムコ多糖と呼ばれる長い鎖状の糖の一種であり、コラーゲンはたんぱく質の一種です。
コラーゲンは29種類あり、そのうち40%は皮膚に存在しています。
とくに皮膚の真皮層の構造を構成する成分で、コラーゲン構造の隙間にヒアルロン酸が満たされています。
ヒアルロン酸とエラスチンとの違い
「エラスチン」は、肌の弾力を保つたんぱく質の一種です。
ヒアルロン酸は糖の一種であるため、エラスチンとは成分が異なります。
また、エラスチンもコラーゲンと同じく真皮層の構造を構成します。
一方でコラーゲンは硬く、それだけでは弾力性を保てません。
そのため、弾力性に富んだエラスチンと肌で網目構造を形成することで、ハリと弾力のある肌をつくることが可能です。
2. ヒアルロン酸は年齢とともに減少してしまう!
肌の潤い成分であるヒアルロン酸は20代をピークとし、年齢とともに減少していくことが知られています。
その量は40代後半で大きく減少し、50代になると肌のヒアルロン酸の量は赤ちゃんの40%と半分以下です。
60代では赤ちゃんの4分の1、25%程度、70代では5分の1の20%程度になり、充分な水分を保持することが難しくなってきます。
肌にシワやたるみを作らせない、乾燥させないためにも意識的にヒアルロン酸を取り入れて、ふっくらとした肌を保つ必要があります。
3. ヒアルロン酸のスキンケア効果
ヒアルロン酸は肌の細胞に水分を貯め、それを供給することで肌細胞の生まれ変わりを助けるスキンケア効果と、ヒアルロン酸自体の保水効果による肌の弾力を保つ効果があります。
ターンオーバーを正常化に導く
人の肌は上から順に、表皮、真皮、皮下組織と3つの層構造です。
細胞の生まれ変わりをターンオーバーといいますが、表皮の最下層であり、真皮との境目である基底層が細胞分裂を行うことで肌細胞が新たに生まれます。
絶え間なく下から細胞が作られ、細胞が生まれ変わります。
水分が十分にない場合は古い細胞が皮膚表面に残ってしまうため、黒ずみやシミ、乾燥肌などの原因になります。
ヒアルロン酸によるスキンケアを行うと、水分が十分になってターンオーバーを正常化に導き、その結果肌トラブルの改善が見込まれます。
水分保持力が高く肌の弾力を保つ
高い水分保持力を持つヒアルロン酸は、肌の真皮に存在します。
真皮ではコラーゲンとエラスチン、線維芽細胞が結びつき、その隙間にヒアルロン酸が存在することで肌の弾力を保つことが可能です。
4. ヒアルロン酸の種類は2つに分けられる
ヒアルロン酸には、2種類あります。
分子量によって分けられ、分子量が大きいヒアルロン酸を高分子ヒアルロン酸、小さいものを低分子ヒアルロン酸といい、目的にあわせた使い分けがおすすめです。
高分子ヒアルロン酸
分子量が100万以上あるヒアルロン酸を、高分子ヒアルロン酸といいます。
オクラや納豆、フカヒレ、ニワトリの鶏冠などにも含まれており、自然界に元から存在しています。
高分子ヒアルロン酸は、保水力が低分子ヒアルロン酸と比べて高いことが特徴です。
一方で熱に弱く、調理すると失われることがあります。
その分子量の大きさから、スキンケアとして使用した際は角質層まで浸透させることが難しいです。
しかし、この分子量が大きいことで粘性が高くなり、肌の表面にとどまることで保護膜の役割を担います。
水分を蒸発させにくいことで保湿効果があり、肌のバリア機能を助けます。
低分子ヒアルロン酸
自然界に存在する高分子ヒアルロン酸の分子量を1万~10万程度まで人工的に小さくしたものが、低分子ヒアルロン酸です。
分子量が小さいため、体内で早く分解されます。
低分子ヒアルロン酸の水分の蒸発効果は、高分子のものより低いです。
このため、保湿やバリア機能を助ける効果は高分子ヒアルロン酸より小さいことが見込まれます。
一方、分子量が小さいことで食事から摂取した場合は吸収されやすいのが特徴です。
肌に塗った場合は皮膚から吸収されやすく、角質層の内部まで到達するという特徴があります。
また、ヒアルロン酸と聞くと思い浮かべるのは粘性の高さですが、低分子ヒアルロン酸はこの粘性が低く抑えられています。
べたべたせず、さらりとした使用感のスキンケア商品です。
5. ヒアルロン酸は、どのように取り入れればいい?
肌細胞の生まれ変わりを助け、シワやシミなどの肌トラブルを抑えるヒアルロン酸の取り入れ方は、大きく分けて2つあります。
肌にヒアルロン酸注入をする方法と、ヒアルロン酸の入った化粧水や美容液を使い肌表面から取り入れる方法です。
1.ヒアルロン酸注入をする
ヒアルロン酸を取り入れるひとつ目の方法は、ヒアルロン酸を直接肌の真皮層に注入する方法です。
メスを使わず、注射で施術ができます。
ほうれい線などには即効性があり、施術時間も短く済みます。
一方、個人で注入を行うことは危険です。
利用する場合は、しっかりと相談できる美容外科やクリニックでヒアルロン酸注入を行いましょう。
2.ヒアルロン酸の入った化粧水や美容液を使う
ヒアルロン酸を取り入れたいとお考えの方の中には、費用や肌に針を刺す注射に抵抗がある方もいます。
その場合は、毎日のお手入れにヒアルロン酸を取り入れて補うとよいです。
ヒアルロン酸は肌に直接塗ることで、角質層まで潤いを届けることが可能です。
角質層が潤うと、肌に弾力やハリが戻ります。
また、乾燥を抑えて肌のターンオーバーを正常化することで、小じわやたるみにも効果が見込まれます。
低分子ヒアルロン酸は分子量が小さいため、肌からの吸収もされやすいのが特徴です。
高分子ヒアルロン酸は保湿力が高く、乾燥を防ぐ効果が高いです。
このようにヒアルロン酸を直接注入することに抵抗がある人でも、気軽にヒアルロン酸を取り入れる方法があります。
費用もヒアルロン酸注入より低く済むため、肌に合ったヒアルロン酸配合の美容液や化粧水の使用をおすすめします。
6. ヒアルロン酸配合スキンケア商品の特徴
ヒアルロン酸は保湿成分として代表的な成分で、高い保水力により肌表面の潤いを保てます。
ほかにも、ヒアルロン酸配合スキンケア商品は肌馴染みがよく使いやすい、低湿度でも保湿効果が高いといった点が特徴です。
肌馴染みがよく使いやすい
ヒアルロン酸は水になじみ、高い保湿力を持ちます。
一方、保湿力の高い油分とは異なるテクスチャーです。
使うことで肌のなめらかさやしっとり感を感じられる保護膜をつくり、水分を肌に閉じ込めることが可能です。
現在では化粧水、乳液、美容液など多くのスキンケア商品に使用されています。
ヒアルロン酸はエモリエント成分と呼ばれる油分と組み合わせると、より高い保湿効果を得られます。
使用されるヒアルロン酸の種類により、さっぱりした商品や粘性が高くしっとりした商品など自分に合った商品が選べるため使いやすいです。
低湿度でも保湿効果が高い
ヒアルロン酸の保湿効果ですが、湿度が低い低湿度状態でも高いことが特徴です。
ヒアルロン酸以外の保湿剤、たとえば尿素やグリセリンなどは低湿度状態では保湿力が低いです。
保湿するために塗布した結果、肌から水分を奪うこともあります。
一方、ヒアルロン酸は低湿度状態でも空気中の水分を集め、肌にとどめることで保湿します。
そのため、ヒアルロン酸配合スキンケア商品は冬など季節を問わず使いやすいです。
7. ヒアルロン酸配合スキンケアの選び方
ヒアルロン酸が配合されたスキンケア商品ですが、配合しているヒアルロン酸の種類やヒアルロン酸以外の配合成分、敏感肌の方には刺激の少ないタイプなど選び方がいくつかあります。
配合しているヒアルロン酸の種類で選ぶ
スキンケア商品に含まれるヒアルロン酸には、多くの種類があります。
ヒアルロン酸Na、加水分解ヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムなどです。
どれが優れているということではなく、肌上での働き方が異なるため、ご自身の悩みに合ったヒアルロン酸を選ぶことをおすすめします。
ヒアルロン酸Naは保水力が高く、ぬめりがあります。
加水分解ヒアルロン酸は分子量が小さいため保水力が控えめですが、ぬめりが少ないです。
アセチルヒアルロン酸Naは水になじむ親水基と、油になじむ疎水基を持つため保水力は高く、ぬめりは小さいヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムは、プラス電子を持たせることでマイナス電子をもつ肌への密着度を高くしています。保水力も、ぬめりも高いです。
ヒアルロン酸以外の、配合成分もチェック
スキンケア商品に含まれる、ヒアルロン酸以外の成分についても注目するとよいでしょう。
グリセリンは保湿成分のため、潤いを求める方はグリセリン高配合商品を選びます。
マルチトールやソルビトールなどの糖アルコールは保湿性を有し、化粧品に配合することが可能です。
肌に元から備わっているセリンやグリシンなどのアミノ酸は保湿力もあり、肌のターンオーバーを正常化する働きがあります。
セラミドも肌に元からある細胞間脂質ですが、肌の潤いを保ちバリア機能を高める成分です。
スクワランは肌への浸透性が高い油性の保湿成分で、肌の水分蒸発を防ぐふたの役割を果たします。
敏感肌の場合は無添加タイプがおすすめ
ヒアルロン酸には刺激性はほとんどないため、敏感肌の方も使いやすいです。
一方、スキンケア商品に含まれるそのほかの成分が刺激になることがあります。
エタノールで肌が赤みを帯びたり、痛みを感じたりする方もいます。
植物エキスも何種類も配合されていると、刺激になることがあります。
ほかにも乳酸、サリチル酸やグリコール酸などはピーリング性を持つため、敏感肌の方は気をつけましょう。
敏感肌の方はこれらエタノール、何種類もの植物エキス、乳酸などのピーリング材などが含まれていない無添加タイプを推奨します。
違和感が出た場合は、すぐに使用を中止しましょう。
8. ヒアルロン酸配合スキンケアを使用する際のポイント
代表的な保湿成分のヒアルロン酸ですが、その保湿効果を発揮するためには使い方にもポイントがあります。
正しい使い方を詳しく解説します。
効果を感じるにはケアを継続する
ヒアルロン酸の保湿効果が発揮されるのは、ヒアルロン酸が肌の表面にあるときです。
吸収しやすいようにヒアルロン酸の分子量を小さくしても、肌の奥まで到達し、肌の内部で持続的に効果を発揮することはできません。
また、ヒアルロン酸の分子量を小さくすると保湿効果とぬめりが小さくなり、肌からの蒸発が早まります。
肌の水分量を保ち、保湿効果を感じるためにはヒアルロン酸配合スキンケア商品を使用したケアを継続することが必要です。
手の平で温めてから肌に馴染ませる
ヒアルロン酸配合スキンケアを使う際は、手の平で少し温めてから肌に馴染ませます。
冷たいまま使うと肌の表面の温度が下がり、血管が収縮し肌細胞の働きが弱まるためです。
人肌程度に温めてから、全体的に包み込むように優しく馴染ませます。
乾燥が気になる部分には、重ね付けがおすすめです。
ゴシゴシとこすらず、肌がしっとりし手の平に吸い付くようになるまでしっかりと馴染ませます。
まとめ
今回は、ヒアルロン酸について詳しく紹介しました。
見た目の印象を大きく変えるシワや乾燥が気になる方は多いですが、ヒアルロン酸をスキンケアに取り入れることで肌が潤い、手軽にエイジング効果が得られます。
また、ヒアルロン酸は肌に元からある成分です。
安全性も高いため、ヒアルロン酸配合の化粧水や美容液は刺激が少なく、敏感肌の方から通常肌の方まで多くの方のお肌のケアが可能です。
継続してヒアルロン酸配合スキンケア商品を使用することで保湿、エイジングケア*の効果を実感できるでしょう。
*年齢に応じたケア